欧州徒然草

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お得に旅行できる国はどこ?

 

今日は,欧州統計局が発表した国別物価のお話です.

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出所:データは欧州統計局(EUROSTAT),日本は102.7.

 

上のグラフは,購買力平価で見た物価水準のランキングです.日本は102.7とEU平均とほぼ同じですので,100よりも数値が高い国は日本よりも割高といえます.上位には北欧やベネルクス,下位には東欧諸国が並んでいます.アイスランドは171とEU平均の1.7倍です.

 

旅行に関係がありそうな品目を見てみましょう.以下のデータはすべて欧州統計局のものですので,出所は省略します.

 

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まずは宿泊関係です.上位の中ではルクセンブルクが全体の140から112まで下がっています.物価は高い方ですが,ホテルは安めといえます.北欧は相変わらず上位でアイスランドは185とグラフを突き抜けています.アイスランドはとにかく物価が高く,タクシーの料金がまるで秒単位のようにどんどん上がっていったことを思い出します.一方で,ブルガリアはかなりお得に泊まれます.下位9カ国くらいまではホテルのランクを少し上げてもいいのではないかと思います.

ホテルの料金は,いつ,どこに泊まるかも関係があります.例えば,北欧は冬よりも夏の方が安い傾向にあります.また,夏シーズンは8月10日くらいに終わるため,8月後半は少し安くなる傾向にあります.スキーリゾートなどの場所も同じ傾向があります.一方,お城や公園などが主な見どころの町では冬の方が安くなる傾向があります(ただし,お城や公園が閉っている可能性もあります).

クロアチアはかなり安い方ですが,ドブロブニクやプリトビーチェ公園のような「いかにも」な観光地ではホテルは高いです.特にプリトビーチェでは事実上ホテルが2つしかないため,ホテルはいまいちな割に料金は高いです.一方,トロギールの郊外(城壁の外)やザグレブなどは安いです.

大都市圏の旧市街地のホテルは高いため,少し離れた場所もおススメです.電車や地下鉄で15-20分くらい離れるとかなり安くなります.1日券のような交通券や○○カードのような交通券付きのカードがあれば,離れた場所でもOKだと思います.

 

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ここでも同じような傾向が見えます.ここでの食品や飲料はスーパーなどで買った場合です.レストランは一つ上のグラフになります.これも場所によって価格が違います.やはり北欧が高いですが,オーストリアも結構高いことが分かります.ウイーンの旧市街では小さなスーパーがありますが,かなり高い印象です.地下鉄で少し離れたショッピングモールなども検討してもいいかもしれません.

ベルリンからウイーンまでドライブ(12) ウイーン - 欧州徒然草

ドイツは日本と同じくらいですが,食品の中でもジャガイモなどは安いです.旅行中には食べられませんが・・・キッチン付きのゲストハウスなどで試してみてください.ベルリンでは東側に行って,ロシア系のスーパーなどに行くとかなり安いです.また,他のスーパーでは見られないロシア製のお菓子や飲料があって,結構面白いです.毎日レストランでは胃が疲れると思いますので,スーパーで惣菜などを買って地元の人の暮らしを体験するのもいいのではないかと思います.

 

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服ではスウェーデンやデンマークがやや高い印象があります.また,右の方の東欧も100前後の国が多く,食品などに比べて価格差が小さくなっています.ブランド物の高級品はさておいて,一般的な服や靴はどこで買ってもそんなにお得感がないといえそうです.ただ,これも時期や場所が関係します.デンマークなどの北欧でも,8月末などの観光シーズンの終わりに時期には,観光地ではバーゲン価格で服が売られています.夏物が多いですが,秋物もバーゲンになっていることがあります.デパートよりも町中の服屋の方が安くなっているケースが多いですので,観光がてらお店を覗いてみてはどうでしょうか?少し小さめの観光町がねらい目です.

全体的には,北欧は高く東欧は安いというイメージ通りの結果です.その中でも,ドイツは経済が好調な割には比較的物価が安くてお得に旅行できそうです.

 

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このグラフは2000年と2017年の比較です.ヨーロッパではだいたい年に2%くらい物価が上がりますので,2000年と比べると全体的に40%ほど物価が上がっています.為替レートも関係しますので一概には言えませんが,上位3カ国はもともと高いのにさらに高くなったといえます.東欧では高くなっていますが,南欧やドイツなどではあまり変わっていないことが分かります.イギリスの下落は為替レートによるものだと思われます.特に2016年の国民投票以降,イギリスポンドは安くなっています.

 

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最後のグラフは各国の価格のばらつきを見たものです.物価の高い国と低い国が混在しているとばらつきは大きくなります.28か国ベースの「EU」や19カ国の「Euro area19」を見ると,ばらつきが小さくなる傾向が読み取れます.東欧などの国で物価が高くなったことでばらつきが小さくなったことが分かります.一方で,20世紀の間にEUに加盟した15カ国「EU15」や2002年のユーロ現金開始時の参加国「Euro area12」を見ると,2010年代にややばらつきが拡大していることが見て取れます.これは,2010年代には南欧諸国で経済活動が低調になり,物価も下落して差が開いたことを表しています.

ユーロのような統一通貨を導入すれば物価の差はなくなるという理論が20世紀にありましたが,1999年以降の推移を見るとそのような理論には妥当性がないのではないかという疑問がわきます.

 

本日はここまで.