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欧州徒然草

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ヴェツラー(3)−『若きウェルテルの悩み』

ヴェツラーは,ゲーテの代表的小説『若きウェルテルの悩み』の舞台になった町です.ただ単にヴェツラーを舞台にしただけでなく,当時,ゲーテと親交のあった人々が物語に登場します.この小説は刊行されてすぐにヒットしたそうです.現在でも,登場人物の家が残っており,博物館になっています.


ドーム広場(Dom platz)に案内板があるので,それに従って歩いて1−2分の所に,ロッテの家(Lottehaus)があります.少しわかりにくいですが,ここが入口です.営業時間は,10時から13時と14時から17時です.月曜は休みのようです.


入り口から中に入ったところ.写真では切れていますが,右側の近代的な建物がViseum Wetzlarという博物館で,ここで,チケットが買えます.1つの博物館に入るだけなら2.50ユーロ,5ユーロのコンビチケットを買うと,6つの博物館に入れます.コンビチケットがいいと思います.これで,ロッテの家にも入れるようになります.

Viseumは,視覚博物館とでもいえばいいでしょうか?  目がどうやってものをみているのか,という説明から始まり,レンズの仕組みやカメラ,望遠鏡,顕微鏡などが展示されています.観光客に人気があるのは,サーモスタット(温度を色分けして表示するカメラ)でした.手をこすって暖めたり,動いたりして,カメラをみて喜んでいました.

ここには,もうひとつ,Stadt und Industriemuseum という博物館が併設されています.ここは,ヴェツラーの歴史的な展示物とライカを中心とした工業製品があります.チケットが買えれば,この3つの博物館は見ることができると思います.

ヴェツラーを訪れたウェルテル(つまりゲーテのこと)は,シャルロッテ(愛称はロッテ)という美しい女性に出会い一目ぼれします.ところが,ロッテには婚約者がいることが分かりますが,ウェルテルはそんなことも気にせずロッテの家に足しげく通います.ウェルテルはロッテが好きなわけですが,ロッテは友人としてウェルテルに優しく接しているだけで,ウェルテルと結婚する気は当然ありません.


ここがロッテの家の入口です.実際にここに住んでいたようです.中は結構広いですね.職員の人が中を案内してくれます.私が行ったときには2人いましたが,そのうち1人が英語ができました.英語が話せない方の人は,昔の日本家屋や日本人の暮らしがどうだったかいろいろ聞いてきました.それなりに正確に伝わっていると思いますが,次に行った人に細かいところを修正してもらいましょう.ロッテはしばらくここに住んでいましたが,その後は引っ越しをしたようです.小説が有名になって,観光客がわらわら押し寄せたせいかもしれませんね.


ここは4つ目の博物館ですが,閉まっていて見られませんでした.というよりも,他の3つは,呼び鈴も鳴らしてみましたが全部見られませんでした.曜日とかの関係もあるかもしれません.


ところで,ロッテはそのうち婚約者と結婚します.ウェルテルは結婚した後のロッテが自分に対して冷たくなったと感じたようですが,そんなもんは当たり前でしょうね.ともかくも,ウェルテルは故郷のフランクフルト(実際に,ゲーテの故郷はフランクフルトです)に帰り,あまりの悲しさに自殺したくなります.ちょうどそのころ,ヴェツラーに住んでいた知人が人妻への恋がもとで自殺したというニュースを聞きます.この自殺した人は,史実ではイェルーザレム(Jerusalem)という人で,ここがイェルーザレムの住んでいた家(Jerusalemhaus)です.チケットがあれば,入ることができますが,私が行ったときには閉まっていました.アイゼンマルクト(Eisenmarkt)からもう少し坂を下った所にあります.

その後のウェルテルは,人生に絶望し,ピストル自殺をします.そのピストルは,なんとロッテにもらいに行きます.ロッテは多分自殺するだろうとは察知しましたが,みんなの前でそんなことを言うわけにもいかず,仕方なくウェルテルにピストルを渡すのでした.もちろん,ゲーテ本人は自殺を思いとどまり,この小説を書くのでした.

私はあまりこの話に共感ができなかったので,自己中心的なウェルテルのどうしようもない話になってしまいましたが,ウェルテルの目線からみた小説は間違いなく世界的な名作です.この作品が刊行された後,影響された人が次々に自殺したとのことです.また,イェルーザレムの墓にも多くの観光客が訪れたそうです.

ヴェツラーは観光ガイドに載っていない小さな町ですが,魅力がたくさんあります.フランクフルトからも日帰りで行けますので,ぜひ行ってみてください.

本日はここまで.